「自由、責任、活動そして大切に思う心」
友和病院は、1978年、「自由、責任、活動」を基本理念に掲げて、当時の佐伯郡佐伯町に開設されました。
この言葉は、1968年にWHOから派遣されて、日本の精神医療の状況を調査されたイギリスの精神科医D.H.クラーク博士が、精神科病院が備えるべき最低限の条件として示されたものです。
博士は、「精神障がいの患者さんは基本的に自らの行動に責任を取れる人たちであり、精神科病院は、自由で、生き生きと、活動的な雰囲気を持っていなければならない。」という意味の事を言われました。
その考えは、「可能な限り開放的な病院をつくりたい。」という友和病院設立の原点にぴったりと合致しました。 それがこの言葉を、開設時から基本理念に掲げた理由です。
私達はその基本理念のもと、開放的な、安らぎのある、活き活きとした病院を目指して医療を行ってきましたが、開設25周年を前に (2012)、改めて開設の初心に戻ると共に、私達が常に心に留め置くべき価値観として、「大切に思う心 (Respect)」を基本理念に加えました。
究極のサービス業である医療において、患者さんをリスペクトすること、「大切に思う心」を持って接すること、患者さんお一人お一人の人間としての尊厳を大切にしていく気持ちは、核心的な要素です。
その後2015年からは、精神障がい者の地域生活を支えるため、廿日市市街地に、デイケア、訪問看護ステーション、憩いの場を備えた多機能型精神科クリニック「串戸心療クリニック」を開設し、同時に関連のサービス付き高齢者施設「光風舎」など、活動拠点を増やして今日を迎えています。
友和病院は開院から45年を超えましたが、私達はこれまでの実践を踏まえ、将来にわたって、患者さんを大切に思う心を常に意識し、精神障がいの患者さん、認知症高齢者の皆さんの、医療や地域生活支援を行っていく覚悟でおりますので、忌憚のないご意見、ご鞭撻をお願いいたします。