「自由、責任、活動」。私達は1978年の開院以来、この言葉を基本理念として精神科医療を行ってきました。 この言葉は、1968年にWHOから派遣されて、日本の精神医療状況を調査されたイギリスの精神科医D.H.クラーク博士が、精神科病院が備えるべき最低限の条件として示されたものです。

博士は、「精神障がいの患者さんは基本的に自らの行動に責任を取れる人たちであり、精神科病院は、自由で、生き生きと、活動的な雰囲気を持っていなければならない。」という意味の事を言われました。 その考えは、「可能な限り開放的な病院をつくりたい。」という友和病院設立の原点に、ぴったりと合致しました。 それがこの言葉を、基本理念に掲げた理由です。

私達はその基本理念の下、30年以上にわたって、開放的な、安らぎのある、活き活きとした病院を目指して医療を行ってきました。 そしてこの程、私達の現在の状況を省みる中で、改めて開院の初心に戻ると共に、将来にわたって私達が心に常に留め置くべきこととして、「大切に思う心 (Respect)」を基本理念に加える事にいたしました。 医療は究極のサービス業であると思いますが、サービス提供者たる私達には、何よりも患者さんお一人お一人の、人間としての尊厳を大切にしていく気持ちが必要であろうと思います。

今後とも、患者さんの思いを中心にして、入院治療や地域生活支援を行っていく覚悟でおりますので、忌憚のないご意見、ご鞭撻をお願いいたします。