友和病院は広島県廿日市市の郊外、旧佐伯町の山あいにたたずむ精神科病院です。 自動車の走る音はほとんど聞こえず、時には鳥のさえずる声が聞こえる静かな場所にあります。 入院は多くが高齢の認知症患者さんと、幅広い年齢層の統合失調症の患者さんですが、いずれも長期の入院となる方が多く、明るくゆったりとした環境で過ごしておられます。
近年、高齢化が進み認知症が増加しており、がんを初めとする生活習慣病とともに社会全体の大きな課題となっています。 残念ながら現在の医療技術では認知症の治療は、決して十分な成果を上げることができず、自宅での生活を続けることが困難となる方が大勢おられます。 病的な不安や怒りを感じながらの生活は、ご本人にとっても家族にとってもつらい体験であり、たとえ認知機能の低下が進んだとしても、穏やかで笑顔のある時間を取り戻していただくことが一番の治療目標と考えています。
生活環境の改善や医療の進歩などにより、長生きができるようになって、人生を全うしたと思えるような一生を過ごされる方が増えています。 しかし年月を重ねて齢をとれば、いつかは心身の衰えを感じるときが来ます。 その衰えをご本人と家族だけでは抱えきれなくなった時に、当院では、その問題を解決するお手伝いを一緒にさせていたければと考えています。
ご本人の心の内が常に晴れ間となるよう、また、見守る家族の皆様に安心していただけるよう、この地域の関係の方々と密接な連携を図って、より良いサービス提供に努めてまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
院長 名越雅彦精神保健指定医日本医師会認定産業医労働衛生コンサルタント